IDA借入国は、デジタル技術へのアクセスを拡大するとともに、価格や利用のあり方、包摂性を改善する必要があります。携帯電話の普及は、世界全体としては急速に拡大していますが、IDA借入国は後れを取っており、コロナ危機により、デジタル格差対策の重要性が浮き彫りになりました。IDAは政府への支援に加え、民間資本の動員を促進して、切実に必要とされる民間投資、イノベーション、技能移転をすべてのIDA借入国で実現しています。
IDA第20次増資(IDA20)では、長期的な経済成長、生産性、雇用創出のための接続性と技術ソリューションを改善するために、テクノロジーを分野横断的な課題と位置付けています。IDA20は、金融サービスや起業家を支援するアフリカのためのデジタル経済イニシアティブ(英語)など、IDA第19次増資で実施されたデジタル変革の取組みを基盤に進められています。
IDA借入国はまた、デジタル変革を推進する中で、サイバー・セキュリティやデータ・プライバシーへの脅威にも直面しています。IDAは第20次増資において、法規制の枠組みの整備、サイバー・セキュリティのためのシステムと制度の構築、サイバー攻撃への防御を高めるための訓練と投資の実施において、各国を支援することも表明しました。
- モーリタニアでは、IDAが支援するプロジェクトにより、1,700 kmの戦略的光ファイバー・リンクが展開され、これまでサービスが十分にまたは全く提供されていなかった地域にもデジタル接続が拡大されました。大規模ブロードバンド・アクセスの月額料金は、2019年の7,000ドルから2021年には54.7ドルにまで引き下げられました。
- 過去10年間に、カリブ海地域通信インフラ・プログラム(CARCIP)によって、高品質で低コストのデジタル接続へのアクセスが増加し、グレナダ、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島で、それぞれ57%、53%、56%が恩恵にあずかっています。また、CARCIPの下、4,300人以上を対象に、情報技術と技術を活用したサービスに関する研修と認定が行われました。
- IDA資金によるコソボ・デジタル・エコノミーでは、国内の163村落の世帯が大都市と同レベルのブロードバンド・サービスを利用できるようになりました。遠隔地に建設されたインフラの30%は民間資本によって賄われました。ブロードバンド・サービスの拡大にともない、現在ほとんどの大学が、知識の交換と研究協力を促進する汎ヨーロッパ・ネットワークであるGÉANTに参加しています。
更新日: 2023年3月15日