IDA融資を受けるには、一人あたり国民総所得が毎年新たに定められる上限(2024年度は1,315ドル)を下回っていること、国際復興開発銀行(IBRD)からの借入に対する信用力がない相対的貧困状態にあることが条件になります。IDAの資金は、所得水準に加え、経済と進行中のIDAプロジェクトの管理の成功度合いに応じて借入国に配分されます。IDAの融資条件は極めて譲許的であり、IDAクレジットは無利子または低金利で提供されます。
2022年度の借入上位10カ国 | 百万ドル |
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ナイジェリア | 2,400 |
バングラデシュ | 2,161 |
コンゴ民主共和国 | 2,125 |
エチオピア | 1,904 |
ケニア | 1,800 |
ニジェール | 1,728 |
ウガンダ | 1,715 |
タンザニア | 1,650 |
モザンビーク | 1,287 |
カメルーン | 1,120 |
融資条件は、借入国の過剰債務リスク、一人あたり国民総所得(GNI)の水準、国際復興開発銀行(IBRD)からの借入の際の信用力を参考にして決定されます。過剰債務リスクが高い借入国は資金援助の100%を、中程度の借入国は50%を、贈与の形で受け取ります。その他の受領国は、IDA融資を通常の条件またはブレンド条件で受領し、返済期間はそれぞれ38年、30年に設定されています。 小国には小国向けの融資条件が適用され、返済期間は40年です。
2022年度(2022年6月30日までの1年間)のIDA融資承認額は総額377億ドルに上り、そのうち132億ドルは贈与でした。アフリカ地域向けが総融資承認額の73%を占めています。1960年以降、IDAは114カ国に対して4,960億ドルを拠出しています。年間承認額は徐々に増加し、過去3年間(2020~2022年度)の年平均額は約347億ドルでした。
IDAの融資を受けたプロジェクトは、初等教育、基礎的保健サービス、清潔な水と衛生、環境セーフガード、ビジネス環境の改善、インフラ、組織・制度の改革に取り組んでおり、経済成長、雇用創出、所得拡大、生活水準の改善への道を開くものです。
IDAは以下の通り、幅広い分野での成長を重視しています。
- 健全な経済政策、農村開発、民間企業の支援、持続可能な環境への取組み
- 人材、教育、保健(特にHIV/エイズ、マラリア、結核との闘い)分野への投資
- 基本的サービスの提供と公共資金に対する説明責任に関する借入国の機能強化
- 内戦、武力紛争、自然災害からの復旧・復興
- 貿易・域内統合の推進
2022年度のセクター別IDA融資 | 全体に占める割合(%)1 |
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社会サービス(教育、保健、社会的保護) | 30 |
インフラストラクチャー(エネルギー、情報通信、運輸、水、廃棄物処理) | 33 |
行政 | 16 |
農業 | 11 |
工業・貿易 | 6 |
金融 | 3 |
1 単位未満の四捨五入のため合計が100%とならない場合があります |
IDAは、貧困削減に向けて高度な政策設計を可能にする知識の蓄積を図るために、分析研究を実施しています。また、経済成長の基盤を拡充し、貧困層を経済的ショックから守るための方策について、政府に助言を行っています。
さらに、債務返済を管理しきれない貧困国の債務削減に向けて、ドナー援助の協調を図っており、各国の過剰債務リスクに基づいて贈与を配分し、債務の持続可能性を図るシステムを構築しています。
更新日: 2022年10月5日
関連項目
開発援助の新モデル:国際開発協会(IDA)が資本市場にデビュー(英語) - 2018年4月17日
国際開発協会(IDA)がトリプルAaa/AAA(見通し:安定的)の格付を取得(英語) - 2016年9月22日
IDA国別配分(英語):
2022年度(PDF、xlsx) | 2021年度(PDF、xlsx) | 2020年度(PDF、xlsx) | 2019年度(PDF、xlsx) | 2018年度 | 2017年度 | 2016年度 | 2015年度 | 2014年度 | 2013年度 |2012年度
IDA資金援助:
IDA18 | IDA17 | 2015年度 | 2014年度 | 2013年度 | 2012年度
IDA19 IDAのコミットメント(国およびウィンドウ別)(xlsx)(英語)
IDA財務諸表(英語)