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IDA@60 | 国際開発協会

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要点

  • 1960年9月24日、IDAは低所得国の経済発展を支援するために設立され、現在74カ国が融資適格国の条件を満たしています。
  • 貧困削減を優先課題とし、経験、知見、専門知識、資金を提供して、借入国の開発の取組みを支援してきました。
  • 設立以来、革新的で持続可能なソリューションや強靭性の強化を通じ、パンデミック、気候変動、紛争などの地球規模の課題に率先して取り組んできました。

進行中のコロナ危機は、数十年にわたる努力の末に達成された開発成果を脅かし、数十億人の生活と生計を混乱させています。 この深刻な状況の中、世界銀行グループの一員で世界の最貧国を支援する国際開発協会(IDA)は、コロナ危機と闘う国々を独自の立場から支援しています。

IDAは過去60年間、最貧国にとって信頼できるパートナーであり、世界規模の特に複雑な課題に他に先駆けて取り組んできました。1960年9月以来、114カ国で8,000件以上のプロジェクトを支援し、これまでに37カ国がIDAを卒業し、今では中国、チリ、インド、韓国、トルコなど、多くの国がドナーとして貢献するようになっています。

IDAは、途上国に国際復興開発銀行(IBRD)による通常の融資より柔軟な条件で融資を行うことで経済開発を促進することを目的に、1960年9月24日に設立されました。 60年にわたる活動の中で、経済的ショック、自然災害、紛争といった困難な問題や、気候変動、ジェンダーの平等、透明で説明責任のある制度、より多くのより良い雇用といった次世代に決定的影響を及ぼす課題への取組みを進めてきました。


"IDAは設立当初から先駆者として、革新的なソリューションによって開発の状況を大きく変え、開発援助の民主化に貢献して、各国が成長に必要な資金にアクセスできるよう支援してきました"
Vice President for Development Finance at the World Bank
西尾 昭彦
世界銀行開発金融総局担当副総裁

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世界銀行グループ・アーカイブと共同で作成した新しい年表で、IDAの歴史をご覧いただけます(英語)。このタイムラインは、87の出来事と500点近い記録文書・情報を通じて、IDAの起源、資金や知識の提供においてIDAが果たしてきた重要な役割、最貧国の経済・社会的開発を支援するためのIDAの革新的な方法を紹介しています。


IDAは数十年にわたり、次々と現れる難題を前に、各国が新たな闘いを挑み、成果を上げる(英語)ことを支援してきました。IDAが成果を上げ、耳を傾け、進化を続ける中で、達成できた成果の一部を振り返ってみましょう。

緑の革命

設立当初のIDAは、大規模なインフラ・プロジェクトに注力していました。しかし、ほどなくして、農業には食料輸入を削減し、雇用を創出し、貧困からの脱却に貢献する可能性があることを認識するようになりました。例えば、1960年代半ば、インドは年間1,000万トンから1,200万トンの食用穀物を輸入していました。  

人、生計、制度

IDAのアプローチは時とともに、経験と開発にともなう変化を反映しながら、より包括的かつ戦略的なものになってきました。IDAは人的資本投資(英語)と効果的な制度の価値を認識し、教育、保健、社会的保護、水と衛生、優れたガバナンス(英語)などの主要な社会セクターを一段と重視するようになりました。現在、IDAの資金の41%は社会セクターに、14%は行政と法律に投じられています。

 
近年、雇用創出と持続可能な経済成長(英語)がIDA借入国の優先課題となっています。 労働市場に参入する若い男女の人数の増加に対応するだけでも、IDA借入国では今後十年間に毎年推定2,000万人分の雇用の創出が必要になるとされています。 IDAは、能力の構築、市場の創出、労働者と雇用を結び付けることを通じて、民間セクターの雇用の増大と質の向上を目指しています。 例えば、世界銀行グループ各機関のツールを活用し、IDA民間セクター・ウィンドウを通じて民間セクター投資を活性化させています。IDA民間セクター・ウィンドウは、国際金融公社(IFC)と多数国間投資保証機関(MIGA)が、脆弱な市場における開発インパクトの高いプロジェクトのリスク軽減や、気候、中小企業、ジェンダー、インフラなどのセクターでの業務に役立てています。

危機への迅速な対応 

IDAは危機が発生すると、常に妥協することなく、迅速に対応してきました。 例えば、2008年に各国が世界規模の金融危機と食糧危機に見舞われた際、IDAは食料、農業投入材、セーフティーネットを通じた支援を提供する一方で、各国の対応を支援するために数十億ドルのファストトラック資金を提供しました。  

進行中のコロナ危機に対するIDAの支援は、世界銀行グループが15カ月間にわたって実施する1,500億~1,600億ドルの広範な対応の一環であり、人命救助、貧困・脆弱層の保護、雇用創出、ビジネスの救済、より強靭な復興のための500億~550億ドルの低利融資やグラントが含まれています。 IDAは債務超過のリスクが高い低所得国に対し、今後12カ月間で約100億ドルの新規グラントを提供する予定です。 

グローバルな課題におけるリーダーシップ

IDAは、気候変動、紛争、ジェンダーの不平等など、地球規模の課題に対する取組みを主導してきました。以下に、最貧国に暮らす13億人の人々に良い意味での変化をもたらした例を紹介します。

気候変動(英語)は、貧困撲滅に向けた世界的な取組みにとって、短期的に間違いなく大きな脅威となっています。IDAは、気象データの精度向上、干ばつに強い作物、災害保険、警報システムなどの新たなソリューションを提供することで、各国による適応を支援しています。また、産業を効率的かつ持続可能なものにすることで、エネルギーを活用し、炭素排出量を削減する革新的な方法を見極められるよう支援しています。 例えばバヌアツでは、遠隔地の住民3万200人に、再生可能エネルギーを利用したオフグリッドやミニグリッドを通じて、新規または改善された電力サービスを提供しました。

脆弱性・紛争・暴力(英語) は途上国を悩ませ続けている問題です。IDAは、幅広いパートナーと協力し、人道援助と開発そして平和構築の重なる領域でより大きな役割を担い、よりよい開発成果に結びつく環境を構築しようと取り組んでいます。

 IDAはジェンダーの不平等(英語)を解消し、女性と女児にとってより良い世界を実現するために活動しています。すべての女子を学校に通わせ、女性が小規模事業立ち上げの資金を調達できるよう支援し、最終的には家族やコミュニティの経済的な見通しを改善することを目指しています。 例えば、2012~18年の間に、1万5,500人以上のエチオピア人女性が技術、職業、起業に関する研修を終了した結果、平均年収が28%増加しました。

開発金融の新たな1ページ  

In ID2018年には正式に国際資本市場に参入し、拠出金と資本市場で調達した資金を組み合わせることで、被援助国への財政支援を大幅に強化しました。これにより、2019年12月にIDA第19次増資(IDA19)は過去最高となる820億ドルで合意に至りました。

 2018年には正式に国際資本市場に参入し、拠出金と資本市場で調達した資金を組み合わせることで、被援助国への財政支援を大幅に強化しました。これにより、2019年12月にIDA第19次増資(IDA19)は過去最高となる820億ドルで合意に至りました。




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